【うつをラクにする本2】うつになって初めて「自分は存在していてもいいんだ」と思えたとき
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【タイトルは衝撃的、心に寄り添ってくれる本】
先日紹介した「うつの世界にさよならする100冊の本」で紹介されていた本です。
『「心の病」なんかない。』
このタイトルをみたときは、衝撃でした。
心の病なんかない…って、うつ全否定されてる?
そんな風に思えて、どきどきしました。
でも、このタイトルはうつを否定しているわけではありません。
「うつは心の病気ではなく、脳の病気だ」ということを伝えているのです。
「心の病」
「心」が病気になったと言われると、その人が本質的に持っている人間的な温かさや情緒的なこまやかさまで害されたような、まるで存在自体が否定されたような印象を受ける。
(『「心の病」なんかない。』より引用)
そうです、そうなんです。
うつになると、まさにそう思います。
なんでうつになったんだ?
うつになる自分が悪いんだ。
自分なんて存在している価値なんてないんだ。
そんなふうに、自分で自分を責め続けます。
自分の存在を否定していまうその思考からは、なかなか抜け出すことができません。
自分で自分を認められない・・・
これはかなりの苦しみであり、言いあらわせないつらさなのです。
でも、治療が必要なのは「心」ではありません。
治療が必要なのは「脳」
心まで病んではいない
(『「心の病」なんかない。』より引用)
うつ病は治療が必要な「脳の病気」なのです。
私そのものが悪いわけではなく、「脳」の調子が悪いだけなのです。
もちろん、うつの治療の過程では、自分自身のもっている考え方のクセを直していくことも必要です。
けれど「私」という存在は、うつになってもならなくても変わりません。
『「心の病」なんかない。』という本は、あなたは「あなた」として存在し続けていいんだよ、と言いつづけてくれる本なのです。
【自分は存在していてもいいのかもしれない、と思えた】
私は『「心の病」なんかない。』を読んで、「自分は存在していてもいいのかもしれない」「生きていていいのかもしれない」と思えるようになりました。
夫は、私が自分の存在を否定しているとき「自分を責める必要はないよ」と言ってくれました。
でも私は「それは私が妻だから、なぐさめるために思ってもないのにそう言ってるんだ」としか思えませんでした。
そんなときに本という第三者の立場から
「心まで病んではいない」と言われたことで、うつになって初めて、素直に夫の言葉を受け取ることができました。
うつはちょっと立ち止まって考えたほうがよいという心のサインだし、
不安も自分を守るためには必要な志の働きでもある。
(『「心の病」なんかない。』より引用)
「うつは悪いもの、うつになった私も悪いもの」という考えでいっぱいだった私でしたが、
「そうじゃなくて、うつは私自身が、もうこれ以上無理するのは無理!っていうサインだったんだ・・・」
『「心の病」なんかない。』という本のおかげで、すんなり、そう思えたのです。
【身近にうつの方がいる人にもオススメの本】
『「心の病」なんかない。』は、日経新聞で連載されていたコラムをまとめたものです。
見開きで1つのコラムが紹介され、とても読みやすいです。
私が特に、読んでほっとしたコラムタイトルを一部を紹介します。
- 仕事を休んだとき
- スパルタ思想
- ひとつのミス
- つらいときほど
- 燃え尽き症候群
- 思い出すのもつらいこと
- 精神疾患に悩む人への話しかけ
- 親の責任
- 性格は変わらない
- 「うつ」は悪いものか
- 見落としがちな「うつ」
- 励ましてはいけない
(『「心の病」なんかない。』より引用)
コラムタイトルだけみても、味方になってくれる本だと、感じていただけると思います。
うつの方が身近にいる人にも読んでほしい本です。
うつになった私をまるごと包み込んでくれ、存在していいんだよと言ってくれた本。
この本が、今度はあなたのこころの支えになってくれるといいなと思います。