148センチの日常

ちょっとラクに日々生きる!うつになったから思うこと、大好きな本や暮らしの出来事をつづるブログ

【冬がくるたびに読むレビュー】絵本「ゆき」に心が救われたお話。

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理屈じゃなく、気持ちをそのまま

感じることの大切さ。

 

心を癒やしてくれる冬の1冊。

 

ゆき /あすなろ書房/ユリ-・シュルヴィッツ

 

 

【あらすじ】


街に降る雪。

 

「雪が降ってる!」

 

窓から空をみた男の子は

にこにこと叫びます。

 

でもオトナたちは

すました顔でこういうのです。

 


「こんなくらいじゃ、

 降ってるとは言えない」

 


「すぐ、なくなってしまうわ」

 

でもそんなオトナたちを後目に

雪はどんどんどんどん

降り積もっていき・・・

 

【うつだったわたしを救ってくれた絵本】


この絵本を読んだのは

まだうつの症状が

まだらにある頃でした。

 

「オトナだから、こうあるべき」


「常識から考えて、それはおかしい」

 

そんな考えが

わたしの頭の半分以上を占めていて、

 

働いていない自分、

休んでいる自分に

わだかまりを抱えていました。

 

「世界にはわたしより

 もっと苦しんでいる人がいる」


「うつくらいで、しんどいなんて

言ってたら申し訳ない」

 

見えない“誰か”と自分を比べ

自分が感じているしんどさは感じては

いけないことなんだ、と

日々思っていました。

 

そんなときに読んだのが、

「ゆき」という絵本でした。

 

ゆき /あすなろ書房/ユリ-・シュルヴィッツ

 

 

わたしたちは科学を発展させ、

地球の王さまのように

振る舞っています。

 

けれど、未だに天気は操れないし、

病気をすべて根絶することも

できません。


科学がいくら発達しようとも

人間にできることなんて

ほんのわずかなことです。

 

それなのに

自然のことや地球のことは

何もかもわかったような顔をして、

 

雪でさえも

「こんな雪はすぐ止む」

「たいしたことない」なんて、

上から目線でしか言えない“オトナ”たち・・・

 

なんだかその姿が滑稽に思え、

また理屈や常識、外聞

とらわれている自分もまた

この絵本のオトナたちと

おなじではないか、と

思いました。

 

 


雪が降ると面倒だ。

雪はうんざりだ。

 

けれど小雪になると

「冬っぽくない」などと騒ぐ、

人間という生き物。

 

そんな中にあって

ただひとりだけ「雪が降ってる!」と

にこにこ空を見上げ、

犬と喜ぶ男の子。

 

大雪に備えることは

もちろん大切だけれど、

雪が降るそのワクワク感を手離したら

人間は人間でなくなってしまうように

思います。

 

わたしも、常識や外聞

理屈というもので自分を固めすぎ、

気持ちを素直に感じとることを

長く忘れていました。

 

「雪はうんざりだ。」

 

そう思う人も居ていいけれど、

 

「雪が降って楽しい、うれしい」

 

そんな風に感じる人も、

居ていいんだ。

 

自分の感情を、きもちを

ありのまま受け止めて、

楽しんだりおもしろがったり

哀しんだりしていいんだ。

 

 

わたしは泣きました。

この絵本を読んで泣きました。

 

 


今年も雪を眺めながら

この絵本とともに、

 

ちらちら おどって、くるくる まわって、

(ゆき /あすなろ書房/ユリ-・シュルヴィッツ より引用)

 

雪をたのしんでいます。

 

ゆき /あすなろ書房/ユリ-・シュルヴィッツ

 

 

※この感想は読書管理アプリ

ブクログ」にアカウント:

 こゆきうさぎ@148センチの日常

 として

 2021/01/03に投稿したものに

 改行や句読点等を整えて

 本ブログに再掲載したものです。

 

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