148センチの日常

ちょっとラクに日々生きる!うつになったから思うこと、大好きな本や暮らしの出来事をつづるブログ

【失ってつかむもの】失うばかりじゃない、得たものは必ずある。まだそれが見えていないだけ。

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【失って得たものに目を向けて生きる】

先日、

現在刊行されている有川浩さんの

最後の著書を読み終えました。

 

読み終えてあらためて

「失って得たもの」

について考えました。

 

主人公は空自衛隊パイロットだった

空井大祐(そらいだいすけ)

です。

 

突然交通事故巻き込まれた空井は

リハビリにより日常生活は問題ないレベルに回復しました。

 

しかしパイロットの職務を全うするレベルには至らず、

パイロット資格を失ってしまいます。

 

空井は広報室に転勤になるのですが…

と、本編が始まります。

 

そんな空井が、

報道記者から外されたことを

いつまでも悩み続ける

TVディレクターの稲葉リカに向けて

言った言葉がこちらです。

 

 

「あの…記者という職を失ったんじゃなくて、

ディレクターという職を新たに得たって考え方

どうでしょうか」

 

(中略)

 

「僕も似てるっちゃ似てるんで

他人事(ひとごと)とは思えなくて。

 

でも、

自分はパイロットじゃない、

自分はパイロットじゃないって思ってるより、

これから広報官になれるんだって思った方がいいなって。

 

だってパイロットの頃ばかり振り返ってたら、

僕の人生って三十手前にして

もう余生じゃないですか」

 

(「空飛ぶ広報室」より引用)

 

失ったものに目を向けるより

得たものに目を向けて生きようとする

前向きな空井の気持ちがつまった

言葉です。

 

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【自分の心にひっかかる言葉は、自然とあつまる】

以前に紹介した小説にも

「失って得たもの」について

書かれていたことを思い出しました。

 

 

 

なんだって意味を持って感じられる。

 

(中略)

 

おらの人生は言ってみれば失って得た人生なのだな、

失わなければ、何一つ気づけなかった。

 

(「おらおらでひとりいぐも [ 若竹 千佐子 ]」より引用)

 

↓詳しくはこちらの記事をどうぞ

148cmnonitijyo.hateblo.jp

 

そして、こちらの小説でも

こんな言葉を見つけました。

 

「そうかしら?あたし思ったんですけど、別にいいじゃないですか。

一つや二つ音が足りなくても、楽しんで弾ければ。

(中略)

敬輔さん、貴方、無意識に完璧に弾けた昔の自分と比べてるから、できないんじゃないかしら。

 

確かにね、

かつて持っていたはずなのに失くしてしまったものって、どう言えばいいんだろう、切ない、ですよね。

若さとか、さ。

 

でも、そこにいつまでもこだわっていたら、敬輔さんがかつての敬輔さんの比べることを止めなければ、それはとても不幸だと思うわ。

 

いま持っているものに価値が見出せなくなる。

 

そんな気がする」

 

(「四日間の奇蹟」より引用)

 

本を読んでいると

全然違う話なのに

自分が気になっている言葉が集まってくることが

よくあります。

 

 

この3冊から集まった言葉は

「失って得たものに目を向けて生きていく」

ことでした。

 

【失ったものは過去、得たものは今】

つらいこと、

悲しいことがあったとき、

最初は失ったものばかりみてしまうのは

しかたがないことです。

 

失ったものは、

自分の過去にあります。

 

失ったと考えている限り、

自分は過去にとらわれたままです。

 

失ったものはいくら考えても、

後悔しつづけても、

戻ってきません。

 

 

でもよく考えてみてください。

 

本当に失ったものばかりでしたか?

 

悲しくて切なくて

苦しすぎて、

失ったものはかり見続けていたから、

 

得たものに気づいていないだけでは

ありませんか?

 

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 【うつ病で失ったものと得たもの】

私はうつ病になり、

「病棟で看護師として働く自分」

を失いました。

 

うつ病になった直後は

あまりの症状のつらさに

毎日泣いて自分を責め、

失ったものばかり数えていました。

 

けれど症状が少しずつ

回復していくにつれて、

得たものもあったことに気づきました。

 

 

「まじめでいい子をやめた自分」

「読書が大好きな自分」

「しあわせは日常の中にあること」

 

がむしゃらに仕事をしていた時には

けして気づけなかったことばかりです。

 

もちろん私も

うつになって自分が得たものに

すぐ気づいたわけではなく、

 

ノートやブログに書いたり、

本を読んだりした中で

少しずつ失ったものから離れ、

得たものはなにか、考えられるようになりました。

 

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【少しずつ、見つけていけばいい】

得たものをみつけられないと

自分を責める必要はありません。

 

少しずつでいいんです。

 

ちょっとずつ、

失ったものだけでなく

自分が得たものにも

目を向けてほしいのです。

 

大きなことを見つけようと

しなくていいんです。

 

本当に小さなことでいいのです。

 

失って得たものを少しずつ見つけて、

前を向いてみませんか。

 

【今回紹介した本はこちら】

空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫) [ 有川浩 ]

 

おらおらでひとりいぐも [ 若竹 千佐子 ]

 

【中古】 四日間の奇蹟 宝島社文庫/浅倉卓弥(著者) 【中古】afb

 (「四日間の奇蹟」は2019/10/03現在、絶版です。

図書館でもぜひ探してみてくださいね)