148センチの日常

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【うつ回復期と私9】「はやく抗うつ剤をやめたい」とあせったとき、思い出すたいせつな言葉。

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【「うつが治った」という状態を、どうとらえるか】

こんにちは、

こゆきうさぎです。

 

適切な治療と療養をすれば、

「うつは良くなる」

「うつは治る」

 

そんな言葉を耳にしたことは

ありませんか。

 

わたしもそうですが、

適切な治療と療養をすれば

「うつは良くなる」

「うつは治る」

という言葉に

支えられた部分もあります。

 

しかし、

ここでいう「うつが治った」状態を

どうとらえるか

 

気持ちのしんどさが

違うだけでなく、

 

生きやすさまでもが

まったく違ってきます。

 

【「うつは心の風邪」という言葉の落とし穴】

「うつは心の風邪

という言葉は

超・有名ですが、

 

うつ風邪とまったくおなじ、

と考えてしまうと

とんでもないことになります。

 

確かにうつは

「誰もがかかる可能性がある」

という点は、

風邪と共通しています。

 

しかしうつも風邪のように

 

薬を終了しても調子がいい

=治った

 

と考えてしまうのは、

大きな間違いです。

 

うつの症状が良くなった、

治った状態とは

 

「うつの症状が落ちついていて、

日常生活が安定して

おくれている状態」であり、

 

そこに

「薬を飲んでいる・飲んでいない」は

関係がないのです。

 

【「内服終了=完治」と思いこみ、減薬を急いだ結果】

実はわたしも

うつ回復期のはじめの頃は、

 

「内服終了=完治」

という思いこみのせいで、

とんでもなくしんどい時期が

ありました。

 

「内服終了=完治」と

思いこむばかりに、

 

つまり

「調子もよくなってきたし、

はやく薬も減らして止めて、

治ったよと言い切りたい!」

という思いが、強くなったのです。

 

その頃は

抗うつ剤は飲んでいましたが

段々と頓用の抗不安薬

飲まなくなってきていて、

 

調子がわるくても

抗不安薬を飲むほどの

落ちこみはなく過ごせていました。

 

そこで主治医と相談し、

抗うつ剤の減薬

踏みきりました。

 

↓詳しくはこちらの記事をどうぞ

148cmnonitijyo.hateblo.jp

 

しかし、

このときの減薬は

うまくいきませんでした。

 

減薬のタイミングが

子どもの長期休暇と重なり、

 

1日中

子どもの声が響く環境に

変わったことで、

 

自分の生活リズムも崩れ、

ひとり時間も激減し、

 

一気にうつの症状が

悪化しました。

 

【「内服終了=完治」という思いこみを手放した瞬間】

いま思えば

このときのわたしには

 

「はやく抗うつ剤をやめたい」

 

というあせる気持ちが、

確かにありました。

 

そのため、

子どもたちが長期休暇に入ることも

わかっていながら、

 

その変化がもたらすストレスが

小さくないとわかっていながら、

 

「薬を減らしたいです!」

と言ったのです。

 

このときの長期休暇は

夫もほぼ同じ日数だけ

休みだったこともあり、

 

「夫もいれば、ストレスもそこまで

大きくならないだろう」

と考えました。

 

しかし

わたしが考えている以上に

暮らしの変化からくる

ストレスは大きく、

 

結局、

抗うつ剤はもとの量へ

戻しました。

 

 

主治医からは

「もし仕事を始めるとしても

しばらくは抗うつ剤を飲みながら

仕事をして

 

暮らしが落ちついたら

減薬も考えていこう

と言われました。

 

この言葉を聞いたわたしは

抗うつ剤を飲みながら、

仕事してもいいんだ」

と、ハッとしたのです。

 

それは

抗うつ剤をやめないと、

仕事をしてはいけない」

という思いこみが

スッと消えた瞬間であり、

 

「内服終了=完治」ではないと

気づいた瞬間でした。

 

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【大事なのは内服終了したかではなく、「日常を穏やかに、すごせている」かどうか】

うつだけに限らず

本当に大事なことがあります。

 

それは

「治った」「内服終了した」

と言えるかどうかではなく、

 

「日常を穏やかに、

すごせているかどうか」

です。

 

例えば

高血圧の方は血圧を下げる薬を

飲みながら、

暮らしていますよね。

 

糖尿病の方は

糖尿病の薬を飲みながら

暮らしていますよね。

 

それとおなじで

薬を飲みながら

症状とうまくバランスをとり

日常を穏やかに過ごせていること、

 

そのことの方が、

内服終了したかどうかより

よっぽど大切なことなのです。

 

【自分もまわりも「内服終了=完治」という呪いから解放されよう】

抗うつ剤を終了しても

つらいうつの症状がなく、

日常を送れるなら

それに越したことはありません。

 

 

でも

抗うつ剤を飲みつつ、

日常を平穏に送れているなら、

 

「薬早くやめなくちゃ…」なんて、

自分を追いつめなくても

いいのです。

 

 

 

そしてまわりの方

 

「症状は落ちついてるけど、

まだ抗うつ剤飲んでるから

治ったとは言えないよね

 

なんていう呪いの言葉に、

とらわれないでほしいのです。

 

【看護師していても、病気になった自分を客観的に見ることは難しい】

うつが良くなったかどうかは

「症状が落ちついていて、

日常を穏やかに過ごせているか」

という視点で見ることが大切です。

 

けれど

わたしがこのことを

しっかり胸に刻めたのは

看護師として働いているとき

ではなく、

 

自分自身がうつ病になり、

抗うつ剤の減薬が

うまくいかなかった時です。

 

看護師として

慢性的な病気を抱えながら

暮らしている方と

数えきれないほど

関わってきたはずなのに、

 

いざ自分がうつになったときには

「はやく減薬しなくちゃ」

「はやく抗うつ剤を終了したい」

という思いに

とらわれてしまったのですから、

なんともせつない話です。

 

これは看護師と言えど、

自分のことを客観的に

判断できているとは限らない

ということでもあります。

 

そしてこのことを、

本人だけでなく

まわりの方にも

心にとめておいてほしいのです。

 

「あの人は看護師していて

知識もあるだろうし、

うつなんてすぐ治るでしょう」

 

それは思いこみです。

 

看護師だからこそ、

ヘタに知識があるからこそ

ますますマイナスの思考や

不安が止まらず、

 

内服したあとの

副作用ばかりを怖がって、

治療がうまくいかないことも

あり得ます。

 

だからこそ、

まわりの方がまず

「内服終了=完治」という考えに

とらわれないでほしいのです。

 

そうすれば、たとえ本人が

「内服終了=完治」という

思いこみにとらわれていても、

そこから救い出すことができます。

 

本人が

「内服しながら

日常を穏やかに過ごせていれば、

それでいいんだ」

と思えるようになったとき、

 

その考えを

まわりが応援しくれたら、

どんなに心強いことでしょう!

 

【内服薬をはやく止めなくちゃとあせった時は、「魔法の言葉」をとなえよう】

何度でも言います。

 

大事なのは

「症状が落ちついていて、

日常を穏やかにすごせていること」

です。

 

もしあなたが

「はやく内服を減らして

止めなくちゃ」という思いに

引きずられそうになったら、

 

誰かから

「内服してるなら

治ったとは言えないよね」

という呪いを

かけられてしまったら、

 

「症状が落ちついていて、

日常を穏やかにすごせていることが

いちばん大事」

 

この魔法の言葉

唱えてみてください。

 

「症状が落ちついていて、

日常を穏やかにすごせていることが

いちばん大事」

 

 

そうです。

内服終了したかどうかなんて

気にしなくていいのです。

 

内服しながら

日常を穏やかにすごせている。

 

そのことが本当に、

大事なのですから。

 

この言葉を味方に

あなたもまわりの方も

心をラクにして、

 

うつ回復期を

泳いでいきましょう。

 

ではまた。

 

 【うつ回復期に読みたい!こゆきうさぎオススメの1冊】