【庭の不精ひげは、生えたままである。】詩集「どれも特別な一日」からの日々
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この詩集を読んでから、
雑草がいつなんどきも
「地球の不精ヒゲ」に見えて
しかたない。
(略)あれは地球が
自分を守るために
せっせと生やしている
不精ヒゲ
「雑草」より引用)
不精ヒゲだもんな、
しかたないよな。
勝手に生えてくるんだもんな、
ヒゲだもんな。
地球も自分、
守らにゃならんもんな。
そんな風に思ってしまう。
そんな不精ヒゲこと
雑草の花粉にやられて、
今日もわたしの鼻は
ぐずぐずしている。
これもわたしという地球が、
一生懸命、
からだを守ってる証拠なのかな。
「未来線」
「雑草」
「命」
「銀杏並木」
これらの詩が、
特に好きだ。
どの詩も短く、
いつも見知った言葉たちで
かかれている。
けれどそれは、
その言葉がそのように並んでいるだけ。
読むたびに言葉のひとつひとつが
重みをもって心に置かれていく。
一編読み終わると、タイトルに戻る。
するとタイトルの言葉がまた、
一刻前とはちがく重みをもって
心に置かれる。
なんとも不思議である。
ふしぎな詩集である。
理不尽なしんどさは
やっぱり避けたほうがいい。
というかそれは
前向きに逃げよう、うん。
でも
ただ座っているだけで
生きられてしまうような、
偽物のあたたかさの
中にばかりいることもまた、
避けた方がいい。
理不尽な悪意に包まれているときは
めいっぱい不精ヒゲをはやそう。
でも、そこを抜けて
自分の歩きたい道を行くためなら、
不精ヒゲを剃ることも必要だ。
鼻ぐずぐずが花粉からわたしを
守ってくれてるのはわかったが、
その守り方はなかなかにしんどいので
マスクと薬という能動的な守り方へ
変更してみた。
かくして庭の不精ヒゲはまだ、
生えたままである。
※この感想は読書管理アプリ「ブクログ」で
2021/11/01に投稿したものに
加筆修正を加えて
本ブログに再掲載しました。
148センチの日常@koyukiusagiの本棚 (こゆきうさぎ148) - ブクログ
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