【人生】つらさの中にある「何か」をしっかりつかむ
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【生きていくために必要な「頭の中の会話」】
先日、こちらの本を読みました。
ひとりで暮らしている
70歳過ぎの桃子さんが主人公です。
すごく大きな事件が起こるわけでもなく、
桃子さんの日常と歩んできた人生を
いったりきたりしながら話は進んでいきます。
読み終えたときは
祖母の頭の中を垣間見たような、
何十年後の自分をみたような、
不思議な気分になりました。
なにしろ桃子さん以外とんと人の気配の途絶えたこの家で、
音は何であれ貴重である。
(「おらおらでひとりいぐも [ 若竹 千佐子 ]」より引用)
今まで一人暮らしの生活を、
「自分以外のものが発する音が貴重である」
という角度から、考えたことはありませんでした。
自分になかった視点に、はっとさせられます。
この一文だけで、老いてひとりで暮らすときの「孤独」の空気を、
感じることができます。
自分のような人間、
容易に人と打ち解けられず孤立した人間が、
それでも何とか前を向いていられるのは、
自分の心を友とする、
心の発見があるからである。
(「おらおらでひとりいぐも [ 若竹 千佐子 ]」より引用)
見た目はひとりの人間である桃子さん。
その頭の中で繰り広げられる「会話」が奥深く、
引き込まれます。
様々な「私」が「私」を中から支えているから、
老いてもひとりでも生きていけるんですね。
もしかしたら、私の祖母の中でもこんな会話が
繰り返されているのかもしれません。
それは生きていくために必要な「会話」なのです。
自分が年をとって
もしひとりで過ごすことになったとしたら、
こんな感じなのか、と
疑似体験をしているようでした。
【失うことは何かを得ること】
なんだって意味を持って感じられる。
(中略)
おらの人生は言ってみれば失って得た人生なのだな、
失わなければ、何一つ気づけなかった。
(「おらおらでひとりいぐも [ 若竹 千佐子 ]」より引用)
人生に無駄なことはひとつもない、
とよく言いますが、
それをいつ実感するのかは
人それぞれです。
失わなければ何かを得ることはできないとは
深い人生哲学ですね。
↓詳しくはこちらの記事をどうぞ
考えてみれば、道がいくつかあっても、
歩める道は1つです。
その道がどんな道になるのかは、
進んでみないとわかりません。
歩む道を決めたとき、
他の道は失うことになります。
でも進まなければ、得ることも失うこともできません。
失ったり、得たりしていると感じられるということは、
「人生を歩めている」という証でもある
のではないでしょうか。
【つらさの中にある「何か」をつかむ】
これからの人生でも
失うこともあれば得ることも
たくさんあると思います。
その結果に喜んだり、落ち込んだりするでしょう。
もっとつらいどん底もみるかもしれません。
つらさの中で得た「何か」をつかんで、
少しずつ進んでいこうと思います。
【今回紹介した本はこちら】